Air Jordan 1 “Lost and Found / Chicago”――1985年の伝説を「再発見」した一足
「倉庫で眠る伝説。」1985年の空気を封じ込めた究極のタイムカプセル。
Air Jordan 1 “Lost and Found / Chicago” は、ただの復刻モデルではありません。ブランドが仕掛けた壮大な物語――「倉庫の奥で37年間眠り続け、ついに発見された伝説のデッドストック」というコンセプトのもと、ヴィンテージのリアリティと当時の熱狂を現代に蘇らせました。この一足がなぜ、スニーカーファンを熱狂させるのか。その緻密なデザインと、箱に隠された秘密を徹底解剖します。
■ 80年代を再現した“物語のある”スニーカー
2022年に登場した Air Jordan 1 High OG “Lost and Found”(通称:ロストアンドファウンド / シカゴ)は、1985年に発売された初代AJ1 “Chicago” を現代的に再構築した特別モデル。
「倉庫に眠っていた1985年当時のAJ1が、年月を経て“発見”された」というコンセプトのもと、ヴィンテージのような質感とストーリー性を落とし込んだ一足です。
■ デザインの特徴
- カラー:ホワイト × ヴァーシティレッド × ブラック(通称“Chicago”カラー)
- アッパー素材:上質なレザーを使用し、部分的にクラック(ひび割れ)加工を施すことで“経年変化”を再現。特に履き口のブラックレザーに施されたクラック加工は、当時のレザーが乾燥しひび割れた様子をリアルに再現。
- ミッドソール:少し黄ばんだトーンで、長年保管されていた雰囲気を演出
- アウトソール:クラシックなレッドで、往年のJordan 1らしい存在感を保っています。
一目で“オリジナルを彷彿とさせる”王道のルックスながら、細部のエイジング加工が“過去の発見物”というテーマを見事に表現しています。

■ 箱と付属品にも込められたストーリー
“Lost and Found” の名の通り、このモデルはスニーカー本体だけでなく、パッケージ全体で物語を表現しています。
- ボックス:80年代のオリジナルAJ1のフタと現代のレトロモデルのフタを意図的に組み合わせたミスマッチ仕様。古い在庫箱を寄せ集めたような風合い。
- ラッピングペーパー:80年代の広告・クーポン・セールチラシを再現したプリント。
- 黄色い紙(レシート風):「Sandy Bros. Sports Depot」という架空の靴店で1986年8月30日に発行されたレシートという設定。倉庫に眠っていた靴箱の中に、当時のレシートがそのまま残っていたかのような演出。紙の色味、フォント、インクのにじみまでリアルに再現。
この黄色い紙は演出用の付属品であり、製品の機能には関わりませんが、「1980年代のスニーカーカルチャーの空気感を体験できる」重要な要素としてファンに高く評価されています。

■ 発売情報
- モデル名:Air Jordan 1 Retro High OG “Lost and Found”
- 品番:DZ5485-612
- 発売日:2022年11月
- 定価:¥20,900(税込)
- リリース当初の人気:抽選倍率は数十倍にのぼり、現在もプレ値市場で高値を維持中。
■ まとめ
“Lost and Found / Chicago” は、ただの復刻ではなく、1985年の空気をそのまま封じ込めた「物語性のある復活」です。エイジング加工や付属レシート、広告風ラッピングペーパーなど、すべてが「発見された過去」を演出するための仕掛け。スニーカーという枠を超え、カルチャーを語るためのアートピースと言えるでしょう。













